2009.10.19 加藤和彦さんを偲んで
「心にぽっかり穴が・・・」、というのが今の心境でしょうか。
加藤和彦さんがお亡くなりになったのですね。
加藤さんとは、大腸がん撲滅キャンペーン「BRAVE CIRCLE」のサポーターとして、この一年間活動をご一緒させていただいておりました。
初めてお会いしたのは昨年の9月。
長身で、お洒落で、笑顔がキュートで、どこか超然とした雰囲気を漂わせていらっしゃって、こんなガチャガチャした業界で、唯一人、貴公子然としたお姿に目が釘付けになりました。
いつもせっかちでがさつな私でしたが、加藤さんの前では、時間の流れがゆったりとして、心まで洗われたような気分にさせられてしまうのです。
そばにいるだけで生まれ変わった気にさせられてしまうなんて・・・、すごい『徳』です。
加藤さんにお会いするの本当に楽しみでなりませんでした。
そして、最近お会いしたのは、つい先月のことでした。
9月5日に、京都の同志社大学のホールで、「トーク&ライブ」イベントがあったのです。
加藤さんはいつもと変わらず穏やかに佇んでいらっしゃいました。
関係者と打ち合わせ中、
「この人は、3年も血が出ていたのに、放っておいたんだよ。」と私のことを笑って紹介してくださり、
「その後ちゃんと検診に行ってるの?」と、気遣ってくださいました。
ステージでトーク中も、「僕は毎年誕生日に人間ドックを受けているから、『健康』が自分への誕生日プレゼントなんだ。」とニコニコとおっしゃっていました。
ミニライブのコーナーでは、「過去を振り返ることが嫌い」と有名な加藤さんでしたが、珍しいことに、自ら往年の名曲を演奏することを申し出られ、
「ボサッパライ(帰ってきたヨッパライのボサノバ・バージョン」、「イムジン河」、「不思議な日」、「あの素晴らしい愛をもう一度」、そして、「BRAVE CIRCLE」のキャンペーンソング「手と手 手と手」を歌っていらっしゃいました。
出身地の京都ということもあったのでしょうか、ブラジル人のギタリストを引き連れ、本当に楽しそうに演奏され、MCでは京都弁で思い出話なども語られていて、のびのびとした印象を受けました。
11月5日には加藤さんが音楽プロデユースもされるLIVEも控えていましたが、その直前の1日には「ウォークイベント」があり、参加予定ではなかった加藤さんが、「お客さんと一緒に歩いたり、トークショーに飛び入り参加してもイイよ」とおっしゃっていたそうで、関係者は盛り上がっていたところでした。
10月17日、その加藤さんの訃報が速報で入ってきました。
まず、「どうしよう」と思いました。
少しでも近しい人間が報道をすることに、一瞬の躊躇がありました。
加藤さんに対しても、番組に対しても、そして視ている方に対しても、どう振舞えばよいのだろうかと、一瞬思考が止まってしまいました。
しかし、芸能リポーターのみといせいこさんに相談をすると、
「私は親しい人ほど、自分が取材しているわ。自分の言葉で送ることが最上の手向けになるように願ってやるのよ。」という言葉をいただきました。
そして、「あなたもしんどいでしょうが、頑張って」と励まされ、迷いは消えました。
すぐに軽井沢へ飛び、お亡くなりになったときの状況を取材しました。
遺書の中身や、ここ一月ほどの精神状態などが段々と明らかになり、寂しいけれど、どこか納得できる部分も出てきました。
遺書や知人との会話に、音楽に関して、「音楽そのものが世の中にとって必要なのか」、「もう音楽でやるべきことがなくなってしまった」などという言葉が並んでいたそうです。
実は、加藤さんが一貫しておっしゃっていたことの中に、印象に残っていた言葉があります。
「僕にとって、音楽は癒しなんかじゃないよ。」
「街中のどんな音でもプロとして反応してしまうから、返ってストレスなんですよ。ははは」と苦笑されていました。
9月のイベントのトークでも、
「僕は音楽が癒しだなんていうの、大っ嫌いなんだよね。」
とステージ上でおっしゃり、その強い口調にドキッとしました。
その直後に、
「音楽は、もっとね、人間の、こういろいろと掘り起こすというか・・・」
と続けられ、加藤さんの音楽観を垣間見たような気がしました。
加藤さんはこれまで時代を先取りした音楽を発表されていらっしゃいましたが、加藤さんの目には私たちがどう映っていたのでしょうか。
加藤さんの生み出した音楽は今でも愛され、これからも愛され続けるでしょう。
そのことを、どう思っていらっしゃったのか、お聞きしてみたかったです。
でも今は、もうあの笑顔にお会いできないのだ、ということがなんだか不思議でなりません。
ご冥福を心からお祈り申し上げます。
2009.10.16 招き猫ダック
「♪猫とアヒルが力を合わせて みんなの幸せを〜 招き猫ダック」
なんなんでしょうね。このCM。
もんのすごいインパクトです。
猫とアヒルが合体だなんて、サザエボン(サザエさん+バカボンのパパ)以来の衝撃です!
どうしてもこの招き猫ダックのマスコットが欲しくて、アフラックのイベントまで足を運んでしまいましたが、もらえたのはこの携帯クリーナーだけ。
マスコットは、保険に加入するか替え歌を作って応募するしかもらえるチャンスは無いみたいでした。
その後、ありとあらゆるコネを使い、入手したのが、コレです!
あれ?
あんまりカワイクない??
毛がフサフサ過ぎて、目が隠れてしまっていたので、化粧用の小さなハサミでカットしてみたのですが、いかがでしょ?
まだイマイチ・・・?
でもね、胴体の両脇を押すと、すごいんです。
「♪猫とアヒルが力を合わせて みんなの幸せを〜 招き猫ダック」
歌い出すんですよ。
最近、少しは論理的な思考が身についた反面、小さくまとまって、自分がつまらない人間になった気がしていたのですが、この招き猫ダックを見ていると、不条理なものほど人は惹きつけられるのではないかと思わされ、また好きに生きてみようと思えてきました。
招き猫ダックは私に招いてくれたのは、『奔放』?
それって、しあわせになれるかな・・・。
2009.10.15 脚色の範囲なの?
今週から始まったNHK人形劇「新・三銃士」に夢中です!
小学生の時に見ていた「プリンプリン物語」は今でも挿入歌が歌えるし、「三国志」は後に吉川英治さんの小説や横山光輝さんの漫画版「三国志」全60巻を読んで比べたけど、この人形劇版が一番お気に入りです。
特に「三国志」には、影響を受けました。
毎回、紳助竜介さんが漫才調に名場面を解説してくれ、「英雄、英雄を知る」などという格言もこの人形劇で覚えました。
今で言う私的な『萌〜』は、関羽が腕の刀傷を縫う場面!!
なんと、平然と碁を打ちながら、片腕を差し出し傷を縫ってもらっているのです!もちろん麻酔なんか無い時代ですよ、登場人物の豪傑ぶりにシビれました〜。
で、14年ぶりに復活した人形劇、「新・三銃士」ですが、原作はアレクサンドル・デュマなんだけど、脚色はあの三谷幸喜さんなんです。
脚本ではなく、『脚色』というところがミソ。
ふんだんに遊びを取り入れていて、これ、ヤバイんじゃないの?と心配してしまうほどなんです。
例えば、主人公ダルタニアンの父が息を引き取るとき、最愛の息子に向かって遺した言葉が「歯、磨けよ」「風邪引くなよ」。そんなぁ。
また、散らばっていた三銃士のアトス、ポルトス、アラミスが再結集し、女王陛下にメンバーを紹介する場面では、こんなおふざけがっ!
アトスに向かって呼びかけるとき、なんと「ア●ス」とボケたんです
え?まさか??
も、もっかい聞いてみよ・・・(汗)
と、ビデオを巻き戻す。
「アヌス」
ひぃっ!
聞き違いかと思って、ビデオを何度も見返し、大音量にして確認したけど、やっぱり言ってる。「アヌス」・・・。
しかし、NHKだよ。あり得ないよ。
自分の聴覚に自信がありません。
果たして、私の妄想なのか誰か真相を知っていたら教えてください。
(因みに、ポルトスには「ポトフ」、アラミスには「ハラミ」とボケていました・・・)
まだほんの導入部分でこんなにハラハラさせられるのだから、全40話の今後を想像すると、目が話せません。
いえ、他にも賞賛すべき点はたくさんあります。
なんと言っても、人形の表情も素晴らしい!
動くのは目玉と下アゴくらいなんですが、照明が人形の表情に陰影をつけ、生身の人間より、よほど豊かな感情表現を見せてくれるのです。
因みに、語り部役は爆笑問題の田中裕二さん。テーマソングは平井堅さん。
みなさんも良かったら、一度ご覧ください。
2009.10.11 本物のサービスとは
名古屋駅に私の宿敵(?)がいる。
新幹線の北口改札を入ったところにある待合室のコーヒースタンドだ。
初めて訪れたのは昨年の12月。
眠気覚ましに「エスプレッソ」を頼んだのだが、店の奥からいかにも名古屋チックなおばちゃんが出てきて、
「あんた、それ止めなさいよぉ〜。こーんなに小さいんだよ。飲んだ気しないよ。」
と、本気で止められた。
「いえ、小さいのは知っていて頼んでるのですが」と答えたが、更に奥からもう一人のおばちゃんが出てきて、
「だってねぇ、コーヒーと値段が同じなんだよ。270円!ダメ!!」
と、おばちゃん二人に説得され、ブレンドコーヒーを選ばせられた。
もしや、作り方を知らないのでは?と思わせられるくらいの大反対なので。
以来、名古屋駅に行く度に、そこでエスプレッソを頼むのだが、毎回、『おばちゃんず』に阻まれていた。
今日久しぶりに店をのぞいてみると・・・、あ、『おばちゃんず』がいない!?
大木凡人に似た男性店員が一人だけ。
チャンス!
「エスプレッソください」
「カップはこのサイズになりますが、大丈夫ですか?」
ふふん、やはり、確認してきた!
「はい、どうぞ。」
あれ?呆気なく、手に入ってしまった。
安々とカップ(コーヒーの半分くらいの大きさ)を手渡され、拍子抜けしてしまった。
私ががっかりしていると、大木凡人似の男性店員が
「ほら、やっぱり小さいからがっかりしてる・・・」と心配そうな顔で私の様子を伺っていた。
違うもーん。
こんなんじゃ、勝負に勝った気がしなーい。
あの『おばちゃんず』からエスプレッソを売ってもらうまで、通い詰めるぞ。
ほろ苦い液体を一気に飲み干し、誓ったのでした。
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