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2002.5.29〜6.2
ニューヨークへ向け出発。詳しくはNY旅行記で。
あまりの疲労に、いきつけのクイックマッサージに行った。30分3,000円コースが私の定番。
「肩と腰と足全体がすごく重くて・・・。」とベッドに横になる。
今日の担当は新顔のマッサージ師さん。
肩を触るなり、「わっ!お客さん、本当に凝ってますね。仕事疲れですか?」なんてひるんでた。
返事するのもおっくうで、「まぁ、そんなとこです。」とだけ答えて眠ってしまった・・・Zzz。
心地良さにふと気が付くと、1時間が経過している。私が追加料金を払おうとすると、
「いえ、結構ですよ。随分凝ってからサービスです。」だって!ありがと〜。
仕事前だったので、スッピンで髪もボサボサ。よほど同情を引く様子だったのかも?
今日発売の「FLASH」の「BSキャスター名鑑」ページに私が載ってます!インタビュー中マンガの話ばかりしてたら、「マンガが両親(?)」と書かれてしまった(笑)詳しくは、見てねん。
*
BBSの件について、私から一言。
皆さん「お知らせ」をご覧頂いたようで、ありがとうございます。朝から私にレイさんを支持するというメールがいっぱい届きました。
さて、2ちゃんねるについてですが、私が初めてその存在を知ったのはちょうど1年位前のことでした。番組のスタッフに「原元さんも、ついに書かれちゃいましたねー(笑)」と言われてその人と一緒に見たのが初めてでした。
感想は・・・、TVに出てればいずれ書かれるだろうとは思っていたので、特にびっくりもしませんでした。書き込みの内容も、私のアナウンサー仲間のお友達に対するものと変わり映えのしないもので、それっきり今年に入って私の掲示板が荒らされるまで見てませんでした。
2回目に見た時も、実はレイさんの会社で「相談」という形の中で見ました。
2ちゃんねるの方に書かれている内容はどうでもいいのですが、何とか私は自分の掲示板を維持していけないものかということだけで頭がいっぱいでした。
こんなことは説明するまでもなく、当たり前のことなんですが、職業柄私たちのようにTVに出たり報道に携わったりする人間は、間違っても2ちゃんねるやその他の掲示板に書き込みをしたり、ましてやスレッドを立てるなどという事はありません。それは業界の暗黙の了解でありますし、恐らくみなさん所属事務所の方からそう注意されているはずだと思います。
特に私の場合は、自らHPを持っていて、BBSを管理していたので、そのようなことは決して有り得ません。
宇多田ヒカルさんも、以前自分の名前を勝手に使われて書き込みをされ、いわゆる「なりすまし」の被害に遭いました。そして彼女は自分のHPで「自分が他のサイトに書き込みをしたりメールを出すことは一切ありません」と宣言をしました。
私も、特に親しい知人以外のBBSに書き込みをしたことはありません。もし誤解が生じるようであれば、これからはそれさえも一切しないということを改めて宣言します。メールに関しては、できれば私は時々みなさんにお答えしていければいいなと思っています。これからも。
レイさんいわく、2ちゃんねるには2ちゃんねるの見えないルール(雰囲気)が在って、明らかにウソだと判っている書き込みに対して盛り上がるという習性があり、それを楽しんでいるのだそうです。でも、何が一番怖いかと言えば、そのでっち上げた書き込みに対して、「そうなんだ」と真に受けてしまう人がいることなんだそうです。
それと、レイさんは2ちゃんねるの私のスレッド(?)の中にもルールを守って書き込みをしている人もいるので、一方的にスレッドを削除するなどとは考えていないとおっしゃっていました。
時々私に対する誹謗中傷に反論してくださった方もいるようで、この場を借りてありがとうと言わせて下さい。
また、「とてもかわいい『絵』を描く才能がある人が一人いるんですよ。」とレイさんが感心しながらおっしゃっていました。
最後に、私は今HP5周年記念に向けてある企画を考えており、そのことで手一杯なので、BBSの件に関してはレイさんに全てお任せしてあります。もちろん私もレイさんを支持しております。私の関係者も、この件に関しては同意済みです。ご心配なく。
でも、冗談抜きでこのままBBSの件で問題が続き、改善が見られないようであれば、BBS閉鎖どころか、HP自体を閉鎖しなさいと事務所側からいわれる可能性があります。そうなったら本当にごめんなさい。
私の本業はHPを運営することではないので、その指示には従わざるを得ません。
その辺のことを、みなさんにご理解いただきたく思います。
*
さっき私にこんなメールが届きました。「原元さんのHPを『百害あって一利なし』と言っている人が2ちゃんねるにいますよ。信じられな〜い。掲示板を運営することじゃないの?そうですよね、原元さん!」もしこのメールが事実なら私は今すぐにでもHPを閉鎖したい気分です。
−お知らせ−
BBSの件に関して、新管理人のレイさんより緊急のメッセージが届きました。トップページからどうぞ。
アニメ「ホイッスル!」の打ち上げならぬ、打ち入りパーティー!(なんか忠臣蔵みたい)
5月6日からの放送開始を祝って、新宿のホテルに関係者が一同に集ったのである。
監督・脚本・技術・製作、キャストの声優陣、『週刊少年ジャンプ」の編集さんやアニマックス(スカパー!)の皆さん、そして原作者の樋口大輔先生、その数160名!
わぁ〜。私たち声優がこの作品に携わるのは、毎週4,5時間のアフレコだけだけれど、一つの作品にこれだけ多くの人たちが関わっているんだということを改めて感じさせられました。
ところで、「ホイッスル!」の公式HPが出来ました。
ストーリーやキャラクター紹介もありますが、「次回予告ムービー」では、なんと私(香取夕子役)の予告ナレーションが聞けちゃいますよ!
10日前、1匹の白い猫が私の前に立ちはだかった。ノラ猫が共存する街なのでそれは日常の一部でもあるのだが、今日はどうも様子が違う。その猫が突然両の前足で私の足を抱え込んだ。
「!?」
まるで子供がおねだりするかのような仕種。尋常じゃない。
「なあに、お前、どこ連れて行く気?」
ふと見ると、路地裏からもう1匹の猫がこちらを見つめている。
「うそ。ヒマラヤン!?」
積み上げられたビールケースの横に、すすけたヒマラヤンの姿が・・・。
ヒマラヤンのノラ猫なんて聞いたことないぞ。もしや捨て猫か、迷い猫?よく見ようと近づいた。オシリの毛をハサミでカットした痕跡がある。ということは、つい最近まで人間に大事に飼われていたようだ。飼い主はきっと心配しているに違いない。
「ああ、でも、ごめん!私もう仕事に行かなきゃならないの・・・。」
立ち去ろうとする私の足に、また白猫が近づいてくる。ううっ・・・、泣く泣く振り切り日テレへと向かう。仕事中も気になり、帰りに探してみると、もういなかった。「そっか。きっと飼い主に見つけてもらったんだ。」
*
そして、ちょうど10日経った今日。
「みゃうん。」
再びあのヒマラヤンが私の前に姿を見せた。
「お前、まだいたの!?」
今日は独り。しかも全身ずぶ濡れ。きっと昨夜の雨に降られたんだ・・・!それにしても、また私は出勤途中。
「ううっ、私が帰るまで無事に待っててねぇ。とっとと仕事片付けてくるからっ!」
そして、夜。
「おぉい。」
「みゃうん。」
いた!!スナックの裏のマンホールの上に寝そべっている。私は用意していた猫の缶詰を開けた。もんのすごい勢いで一缶ぺロッと平らげた。この子、飢えている。体も臭いし、汚れてる・・・。間違いなく捨て猫なんだ。その瞬間、私の脳裏に蘇えるダイスケの姿。もしやダイスケの代わりに神さまが私にこの猫を救えと・・・、思わず叫ぶ!
「ダイスケ!いや、ダイリ(代理)スケェ!!」
「ぅみゃあ〜。」
!!返事した!
「待ってて!カゴ取って来るから!」
走りながら考える。ああ、どーしよ。母ちゃんになんて言おうか・・・。そーだ。奇しくも明日は母の日。となると、「はい、『母の日のプレゼント』」ってのは??
カゴを手に急ぎ戻ってきた。ダイリスケはまだそこにいる。
「ほら、カゴにお入り。」ダイリスケの頭をカゴに突っ込んだが、ダイリスケはびっくりして抵抗する。「お願いだからぁ!」無理に押し込めようとするが、ダイリスケの汚いオシリを触るのは私もさすがに腰が引ける。オロオロしている間に「ニャッ!シュッ!」痛〜い!私の右手を引っかいて逃げてしまった・・・。
呆然と残された私。
その時、隣にあるスナックからホステスさんが出てきてこう言った。
「もしかして、ウチの猫のこと?」
「え!?あのヒマラヤンの飼い主さんなんですかぁ?」
「うん、みんな心配してくれてんのよね。」
「あの、いつもここにいて、汚れているから、てっきり捨て猫だと思って・・・。」私は持っていたカゴを何気に隠す。
「ああ、引っ越してきたばっかりで、ストレス溜まって家から逃げちゃうの。首の周りの毛も抜けちゃうし、もうしょうがないから好きにさせてるのよ。」
「ああ、そうですか、それなら良いんですけど・・・。」
ほっ、良かった・・・。でもちょと寂しくなったぞ!ダイリスケ?!本当の名前、聞くの忘れたーっ!!
東芝リブレットと格闘すること4日目。
3kgあるCDーRドライブを持って、NNN24に出勤。技術さん達に、本当に使えないかどうか試してもらうのだ。
「取り合えず、3時のニュースを片付けてからね。」とロッカーにリブレットをしまおうとした瞬間、
つるっ。
きゃあ。
ガシッ。
あ゛〜・・・。
お、落としてしまいました。リブレット。買ったばかりなのに。
マジ?フタが閉まんない・・・。電源は!?入った。ほっ。
しか〜し!これが意外な結果に!!
「をい、CD-ROMちゃんと動くじゃねえか。」
「えっ!?本当ですか?」
技術さんがいぶかしがる。
「お前、ちゃんと繋いでなかったんじゃないか?」
「そんなことないもーん。何度も試したけど、ダメだったのにぃ。」
まあ、何はともあれ、CD-ROMは動いた。これでWordもExcelもFrontPageも入れ放題。
さて、フタのゆがみを直すべきかどうか、それが問題だ。
おわり?
朝10時。昨日買ったPCが使えず、寝覚めが悪かった。すると、予想通り電話が鳴った。
「す、すみません。○×電気のものですけど、昨日お買い上げ頂いた東芝リブレットなんですが、うっかりお店のパスワードを解除してお渡しするのを忘れてしまいまして・・・。」
いや、いや。パスワードさえ教えてくれれば良いのよ。もう。
ふー、これでやっと起動できる。一晩寝かせただけあって、期待大よ!!
電源ON!!
わあ!キレー!ふ〜ん、これがXPか・・・。全然違うね〜。マイドキュメントが複雑だよぉ(汗)ふふっ、Cドライブが17GBも空いてる。だけどリブレットって、Officeも何にも入ってないんだよね〜。ということで、まずは、ソフトをガンガン入れよっと!
この時の為にわざわざFDDも新規購入(¥6,000−)し、スカジーカードの認識もOK!
外付けCD−ROMドライブをセットする。
しかぁーし!!ここでまた落とし穴っ!!
ソフトのインストール中にフリーズ・・・。
何度もやってみるが、とうとうCDドライブを認識すらしなくなった・・・。どぼじて、どぼじて??
東芝サポートセンターに電話をすると、お姉さんが優しい声で冷たいお言葉を。
「WindousXPに対応している機種ですか?そうでないと新しいものをご購入頂いた方が・・・」
確かに私のドライブは2年前に買った時点でも「型落ち」でした。でもね、でもねDVD-ROMもついてんのよ。コンボなのよ。これがもう使えないの?
つづく。
「ああ、そろそろ新しいマシンが欲しいな〜。」
怒涛の弐号機マシン購入からほぼ3年。そろそろハードもメモリも通信速度もいや、OSまでもが前時代のもの・・・。
参号機はデスクトップにしてTV見たりしちゃおうか、それともB5ノートでモバイルするか。思い立ったら吉日!
ということで、1年ぶりに秋葉原へ行く。G.W最終日だけあって、ものすごい込み様、まずは、品揃えの豊富なLAOXコンピューター館にて新機種をチェック。
すると、まず目に飛び込んできたのは、4月27日に発売されたばかりのモバイル、東芝リブレットL5!
「おおっ!小さい。1.1kg!?なんて軽いんだっ!いくらだろ?」
「13万9000円です。でも今、売り切れなんです。」
すかさず店員のお姉さんが背後から声を掛けてきた。
う〜、無いと聞くと、なんか無性に欲しくなったぁ!
ソフマップ、サトームセン、石丸電気・・・、置いてあるにはあるが、値段は一律13万9000円かぁ。売れ筋商品の為、ちっともまけてくれん。納得しきれず、裏秋葉原の個人商店に足を伸ばす。すると・・・!
「これもう全部売り切ってしまって、展示品しかないんです。だから1万円引きで良かったらお売りしますよ。」
い、いちまんえん引き!?
気づいたときには「やっぱ量販店はだめよね〜。客の話がわかんなくって!」などと言いつつ・・・。
かくして、東芝リブレット衝動買い!
展示品ゆえに外装をキレイにクリーニングしてもらい、お得な買い物をした自分を思い出しながら急いで家へ帰る。
そして、さっそく点火式!!参号機・東芝リブレットの前に正座して、いざ、電源ON!!
しかし、意外な落とし穴がっ!
真っ暗な画面に「PASSWARD」の文字が冷たく浮かび上がる。
ひょっとして、お店のパスワードかかったまま?
起動できないやんけーっ!!
つづく。
尾崎豊が亡くなってからもう10年・・・。
尾崎の詞の大切なキーワード、「街」「夕日」。
尾崎がその場所から夕日を眺め、「街の風景」など数々の曲を作り出したと言われている渋谷の街に、尾崎が死んだ後、歌碑が建てられた。
尾崎の顔と「十七歳の地図」の歌詞が刻まれた銅版プレート。
♪人並みの中をかきわけ 壁づたいに歩けば
しがらみのこの街だから 強く生きなきゃと思うんだ
ちっぽけな俺の心に空っ風が吹いてくる
歩道橋の上振り返り、焼け付くような夕陽が・・・
今心の地図の上で起こる全ての出来事 照らすよ
SEVENTEEN'S MAP
そんな伝説の残る東邦生命ビルも、所有者が変わりクロスタワーと名称を変えた。
この場所に来るのは6年ぶり。私が名古屋から東京に戻ってきた時以来だ・・・。
ゆっくりとビルに近づき、レンガの階段を上がると、ギターを抱えた青年の姿が見えた。そしてまた一人、ジーパンに白いTシャツというまさに尾崎のような格好の男性がやって来る。
彼らは私がカメラを持っているのを見て、「撮ってあげよっか?」と声を掛けてくれた。
その笑顔に尾崎のファンである同志の小さな絆を感じて嬉しくなった。
「ありがとう。いつもここにいるの?」
「うん。何か歌ってあげようか?」
その時、周りの赤茶けたレンガの壁の落書きに「わすれな草」と書いてあるのを見つけた。
「わぁお!、じゃあ・・・、『わすれな草』!」
古いアコギをじゃらんと鳴らしだす。(たぶんイントロ)
「小さな朝の光が〜♪」
ん?正直言って・・・、かなりオリジナリティーに溢れてる。
途切れ途切れで、音程もちょっと外れてる。けれど、私にはそれが嬉しく思えた。
よく尾崎の歌を歌う人は尾崎そっくりの歌い方をする。けれど、尾崎が亡くなって10年も経つのにそんな尾崎の亡霊を引きずっているファンの姿を私は好きじゃないから。尾崎も「一人一人に真実がある」と訴えているように、自分のコピーなんか求めていないと思ってる。
彼はしっかり自分流に尾崎の歌を私に歌って聞かせてくれた。静かな感動。
「尾崎との出会いは?]と質問すると、二人とも「15の夜」だそうだ。
「俺が尾崎を知ったのは、死んでからなんだ。偶然新宿で尾崎の歌を歌ってる人を見かけた時、この歌、俺と似てるって思った。長髪を切られたり、先生に怒られたりしたこととか、自分のことを歌ってるみたいで。それでギターを買って覚えて新潟の実家飛び出して、気づいたらもう4年住み着いちゃった。」
「俺は暴走族やってたんだ。」
もう一人の男性も語りだした。
「それで中3のとき、事故って入院したんだよね。そん時、お見舞いに来てくれた女の子が尾崎のカセットを持って来てくれたんだ。そっから。でも、ライヴとか行かなかった。だって俺、見るからに暴走族だったから、迷惑掛かると思って遠慮した。今?群馬で饅頭作ってるよ。ははは。」
と前歯がぜんぜん無い口を大きく開けて、くったくなく笑った。
「十七歳の地図」や「誕生」など、ひとしきり全曲フルコーラスで聞いた後、ちょっと照れながら彼らに質問してみた。
「『真実』は・・・、見つかりましたか?」
「うーん、難しいなぁ。」
そう言って、笑って見せる彼らの笑顔がちょっと淋しそうだった。
素敵な歌を、ありがとう。
*
尾崎豊に出逢ってからもう17年・・・
ところで皆さん、マガジンの尾崎特集は読まれましたか?
2週にわたり連載されたものですが、後編について私はその内容に「??」を感じちゃいました。
大筋間違ってはないんだけど、過去に報道されているものと比べて余りにも美談になりすぎかなって。
尾崎は「アルバムを十代の内に3枚発表」という偉業を成し遂げるんだけど、その十代最後のアルバム「壊れた扉から」を作るのに、マンガの中で描かれている以上の葛藤があっただろうと思われ・・・。
ファンが尾崎に望んでいることと、レコード会社が尾崎に期待してるとこと、そして尾崎が本当に歌いたいと思ってることとのギャップが広がって行った状況の中で、サードアルバムは作られたのは事実。
そして、十代最後の日に発売する為のレコーディング期限の前日まで、あと一曲・・・歌詞が仕上がっていなかったのも。
その曲があの「FORGET−ME−NOT」・・・、つまり「わすれな草」。
マンガの中で、「曲は出来ているけど詞が納得できない・・・」と行き詰まる尾崎に対し、「優しいメロディーの曲だね。なんか小さい花のイメージだ。」とプロデューサーが感想をもらすシーンがある。
プロ 「そういえば尾崎・・・、FORGET−ME−NOTっていう花があるんだよ。」
尾崎 「えーー!?何ですかそれ・・・!?]
プロ 「・・・その花の日本名は・・・、『わすれな草』って言うんだよ。」
尾崎 「えっ・・・・・」
プロ 「ロマンチックで素敵な名前だろ?か弱くてけなげで、とても可愛い花なんだよ。」
尾崎 「・・・そっかぁ・・・・・・・」
私には、その辺のスムーズな会話の流れが真実であるかどうか確かめ様がない。でも、とにかく尾崎は、このあとスタジオを飛び出して行く。私の知る限り、もっと現場の雰囲気はマンガより殺伐としていたと思う。プロデューサー本人が、かつてTV番組でそう語ってたから。
約束どおり尾崎は、翌日の朝にスタジオへ戻って来る。「わすれな草」の詞と、祝いの!?ワインと寿司と共に。そして・・・
♪小さな朝の光は 疲れて眠る愛にこぼれて
流れた時の多さに うなずく様に・・・
愛の行く方に答えはなくて いつでもひとりぼっちだけど・・・
幸せかい 狂った街では
二人のこの愛さえ うつろい踏みにじられる・・・
初めて君と出会った日 僕はビルのむこうの空を いつまでも探してた
君がおしえてくれた 花の名前は
街にうもれそうな 小さなわすれな草・・・
マンガの中でプロデューサーは、この歌に関してこう回想する。
「いい歌だな!歌われている情景が目の前に浮かんでくる・・・!これほどの力を持った曲と詞はそうあるもんじゃない。だけど・・・どうしてだ!?尾崎が失くしてしまった、とり返しのつかない愛について歌うなんて・・・。こんな風に過去を振り返った歌は今までなっかた。この曲が歌っているのは、とり返しのつかない絶望感だ。みんなのために歌うと決意した尾崎は・・・、その決意に縛られ前に進めなくなっている!・・・そして尾崎が戻っていったのは・・・自分が歌い始めた頃に知り合った、その女の子と見た夕日の光景だったんだろう・・・。十七歳の時、夕日を見て強く生きなきゃと歌っていた尾崎が、今では夕日を失くしてきたもの、寂しさの象徴として歌っている・・・。このままでは尾崎は・・・、自分を喪失してしまう!!」
本当にそうなんだろうか・・・。私の中にひとつ疑問が残ってしまう。
私は仕事柄、またHPを持っているということもあり、様々な尾崎に関するウラ(!?)情報の提供に預かってもいる。でもそのほとんどが、けっきょく尾崎の表面的なものであり、彼の「真実」に触れられたと思えるようなものではなかった。
スタジオを飛び出して、狂った街へと消えた尾崎が、ビルの向こうの空に探し見つけたものとは一体・・・。
一つだけ私が確信してる事がある。デビュー・ライヴのMCで「俺はもう二度と偽善的な恋愛なんて受けないぜ!!」、と彼女を前に叫んでいた尾崎が、失くした1/2の象徴として思い描いていた情景は、きっともっと違うはず・・・。
自分を喪失するどころか、その情景に尾崎は自分を見付けられたからこそ、「わすれな草」という曲が生まれたんだと思うんだっ。
*